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秋の薬膳、かりんの収穫とかりん酒づくり

古くから喘息や咳止めの生薬として利用されてきた「かりん」。神奈川県大井町の里山でも、この秋かりんが収穫時期を迎えました。今回はかりんの収穫から、昔ながらのかりん酒の仕込み方までをお届けします。

古来中国では服の袂に入れて香水がわりにも。甘い香りに誘われて、秋の里山のかりん畑へ

咳止めの生薬としてだけでなく、熟れた実の香りの芳醇さから香水がわりとして古来中国で用いられてきたとされるかりん。収穫期を迎えた畑に足を踏み入れると、ふわっと甘やかな香りに包まれます。

果実はとても固く、収穫時には頭上に要注意。地域の方々お手製の収穫用の竹の棒を使って、頭に落ちないよう周囲に気を配りながらぐっと力を入れて木から振り落とします。

ぼとっと豪快な音を立てて落ちてきた、立派なかりんたち。まだ一部が黄緑色の実もありますが、完熟に近づくにつれてこれらも鮮やかな黄色に変わっていくようです。

冬の身体を労わる手仕事、かりんの保存食作り

さて、収穫したかりんを手に、かりん酒の仕込みのために加工場へ移動します。

かりんの実は渋柿以上に渋く、そのままでは生食できません。そのため加工するのが一般的。蜂蜜漬けや、果実酒にジャム、乾燥させて煎じてお茶にしたり、湯で戻して煮物にも使われたりするのだそうです。また、喘息、咳止め、痰に効果がある薬用成分を含んでいるため、のど飴などで親しまれていますが、利尿作用がありむくみや疲労にも良いとされています。

今回のかりん酒に必要な材料は、縦に割ってから薄切りにしたかりん1個分(約300g)、氷砂糖75g、レモン1/2個、ホワイトリカー450ml。

手順は、熱湯消毒をした瓶にかりんを種ごと詰めていき(種が美味しいエキスを出すのだそう)、次に氷砂糖、ホワイトリカーを注いで、最後にレモンを入れて瓶を密封します。ここから約2か月熟成させて、かりんやレモンを取り除いて完成。

完成までの期間には、たまに瓶を振ってあげるといいとのこと。発酵しているので、瓶の蓋を少しあけて空気を逃してあげてから振るといいそうです。

また、種を除いて熟成させることもできます。その場合は半年の熟成期間が必要になるそうですが、その代わりに取り除いた種を利用してかりん飴が作れるのだそう! その日も、地域のお母さんがかりん酒を仕込んでいる横でかりん飴を作っていてくれました。

まず、種と種の重量の5倍の水を10分ほど煮出します。それから種を取り除いてさらに少し煮詰め、最後に種の重量の2/3程度の砂糖を加えて溶かし、熱湯消毒をしたビンに詰めます。かりんの香りと甘みにほっとする、冬の身体を労わるのど飴の完成です。

アルコールが苦手な方には、ゆずを使ったかりんシロップのレシピも。かりんシロップは種無しで作るので、かりん飴も一緒に作ることができます。この冬の喉を潤す保存食作りとして、ぜひかりんの手仕事を楽しんでみてくださいね。

柚子とかりんのシロップ

● 材料
かりん 1個
柚子 3個
砂糖 重量の110%

● 作り方
① かりんと柚子をよく洗い、水気を拭き取る
② かりんを縦4つに切り、種を取ってスライス。柚子は輪切りにする
③ ②の重さの110%の砂糖をまぶし、消毒した瓶に詰める
④ 毎日かき混ぜて、砂糖が溶けたら、汁をこしてできあがり。お湯などで薄めて飲みます。冷蔵庫で、2か月ほど保存できます